熊本地震。被災して感じた頼りになるアイテム



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熊本の震災。わたしは熊本在住、被災者の一人です。熊本市内の繁華街にほど近く、熊本城までも歩いていける距離に住んでいます。真新しいマンションや古民家が混在する地域で、住民も昔からの地元民から外から来た単身者など様々。

14日の夜の地震では体験したことのない大きな揺れと地響きに恐怖を感じましたが、本棚の中身が数冊落ちてきた程度で怪我もなく、自宅マンションも被害らしい被害を受けずにすみました。しかし、翌朝から水が止まり電動の立体駐車場も使用禁止で自家用車が取り出せなくなりました。

とはいえ、2日もガマンすれば元通りの生活に戻れるとなんとなく考えていました。

それから28時間後、後に本震といわれる震度7の揺れがきました。自宅で過ごしていた私達も流石に不安になり、用意していた持ち出し品を持って近くの小学校に避難しました。校庭ではすでに多くの人が集まっていましたが、小学校の校舎は地震の被害状況と安全確認のため立ち入り禁止となっていました。徐々に寒さが増した午前3時ごろ校舎が開放されましたが、強い余震が頻発していましたので建物の中に入るのもためらわれ多くの人が校庭に残り、避難所の備蓄毛布や自宅に一旦戻って持ち寄った毛布などでみんなで身を寄せるように寒さをしのぎました。

私達の住む地域は大きな被害は少なかったのですが、やはり古い家が倒壊していたり外壁や道路の舗装の一部が剥がれていたりしていました。一番困ったのは水です。都市ガスは本震後供給ストップされましたが幸い電気が通っていたのでポットでお湯が沸かせます。なにより電気の明かりが不安を軽減させました。また、ポータブルテレビやラジオ、スマホの電源も確保できるので情報も入ってきます。

しかし、市内が断水となったためトイレの水も流せなくなりました。ペットボトルの飲水はありますが、食器を洗ったりお風呂に入ったりはもちろんできません。調理しても鍋も洗えないので必然的にパンやおにぎり、カップラーメンで飢えを凌ぎますがゴミが大量に出ました。

非常時に頼りになるアイテム

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私が住んでいる地域は水道が断水し、安全のため都市ガスが止まりました。しかし、電気が使え、街なかのため歩いていける距離にコンビニが5件ほどあり、数日経てば支援物資が届き、炊き出しなどで温かい食べ物もいただくことができました。それでも不自由な生活は続きます。今回、被災一週間の間にあればよかったと感じたものを幾つか書き出したいと思います。

無洗米・ふりかけ

電気ジャーが使えるためお米は炊けますが米を洗う水に貴重な飲水を使うのがためらわれました。とぎ汁は排水せずバケツに貯めてトイレを流す際に使用しましたが、無洗米があれば炊くのに必要な水だけですみます。食器が洗えないのでラップで包んでおにぎりにしていました。うちには子どもがいるのでふりかけが常備してありましたが、塩おにぎりだけでは飽きるので数種類のふりかけがあると助かると思います。

避難所では白米のアルファ米も配られましたが、おかずがなかったので持ち出していたポテトチップスをふりかけて食べました。

ウォーターサーバー

ガスが止まったため電気ポットがなければお湯も沸かせません。ウォーターサーバーなら満タンでタンクに◯リットルの水が確保できていますし、ひねるだけでお湯も出ます。赤ちゃんのいる家庭ではミルク作りもできるのでおすすめです。衛生的には母乳が一番安心ですが、ストレスのため母乳が出づらくなる方もいます。離乳食がある避難所も少ないため、お湯で溶かすタイプの離乳食をストックしておくと助かります。

割り箸、ラップ

水が出なかったため衛生的にも汚れ物を作らない、貯めこまない事を考えました。始めは紙コップや紙皿も使いましたが、ゴミが大量にでるために食器にラップをはって使用しはじめました。箸にはラップをはるわけにもいかないので割り箸を使い捨てました。避難所でも食べ物はあっても箸がないこともあり、家にある割り箸を寄付すると喜ばれました。

状況で必要な物は変わる

幸いだったのは季節が春だったこと。そして前震、本震の時に雨が降っていなかったことです。冬であれば寒さに耐えられなかっただろうし、夏ならば身体の匂いや食品の腐敗など心配事も今回以上でしょう。

レインコート

避難する時、非常持ち出し品を抱えて傘を差すのは大変です。もし地震ならば揺れた時両手がふさがっていると、ころんだ時に怪我を負う危険も。ゴミ袋の底に頭を通して簡易レインコートのすることもできますが、今は100円ショップでもレインコートは売っていますので用意しておくほうがいいでしょう。

水なしで使用できるシャンプー

今回は汗をかく時期ではなかったので数日お風呂に入らなくても匂いは気になりませんでしたが、夏ではそうもいきません。タオルに水を含ませて身体を拭いたり、水なしで使用できるシャンプーなどがあると助かります。

生理用品・ライナー

生理周期が安定している女性でも突然の環境の変化で生理周期がおかしくなるかもしれません。常に用意しておいたほうが安心です。また、お風呂に何日間も入れなかったり洗濯ができない場合でもおりものシートなどを使用しておけば多少不快感が軽減されます。

最後に

家に被害がなくても水や食べ物の備蓄が底をつきたり、トイレの問題もあるので多くの人が避難所へと集まりました。また、マンションのエレベーターも使用禁止となり年配の方や足腰の不自由な方は家に戻るのも大変なうえ、余震で高層階の揺れに恐怖を感じ家には近寄れないという方も多くいらっしゃいました。

私のいた地域ではほとんど停電もせずコンビニにも品薄ながら商品が入ってきていました。別の地域では水道の復旧が早かったものの電気が通うまで何日もかかったところや、道が寸断され物資が全く入ってこない場所もありました。

しかし、災害がいつ起こるかは誰にもわかりません。いつどんな時にどんな災害にみまわれたとしてもなんとか生き抜けるように日頃の準備が大事だと身を持って感じました。

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